意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

202012月コラム 質の高い睡眠には
「光」をうまく使い分ける

私たちが日常接する「光」は、睡眠や体内リズムに大きな影響を与えます。今回は光の観点から、夜しっかり眠って昼間の活動パフォーマンスを上げるコツをご紹介します。

京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系 教授
小山 恵美 先生

人工光の進化で睡眠時間が短くなった?

電気照明はもちろん、灯火すらふんだんに使えなかった時代は、夜明け前から起きて働き、日がとっぷり暮れた頃、家路についていました。「太陽光」の恩恵を頼りに生産活動をしてきたのです。日中働き夜休むというサイクルは、人間の体内リズムが自然の明暗に同調している状態でした。では、現代はどうでしょうか。

白熱電球に続いて蛍光ランプが誕生して、1950年代以降に電力供給量が増えると、夜間でも明るくなり活動時間が増えました。しかし起床時刻はこの50年間大きくは変わらず、日本人の睡眠時間はどんどん短くなりました。

また、空間を照らす光ではなく、発光体を直視するという新しいツールが登場しました。パソコンやスマホの画面、電子書籍などです。

「寝る前のスマホは睡眠不足になる」と聞いたことはありませんか? 就寝前にこれらの発光体を見ると、光が直接目に入ることと、脳で情報処理をすることで2重の覚醒作用が生じるのです。

人工光の進化は便利な反面、上手にコントロールをしないと、睡眠や体内リズムに悪影響を及ぼすことになります。

人工光の進化で睡眠時間が短くなった?

1日の時間帯に合った光で体内リズムを整える

現代でも昔の人に習い「日が昇ってから通勤し、昼休みはなるべく外で太陽光を浴びる。夜は暗くなる前に職場を出て早目に寝る」という生活を実践するのが理想ですが、それは難しそうですね。

しかし、照明光の選び方で体内リズムの歪みを減らせるコツがあります。

生活に使う照明光源は主に、白熱電球・蛍光ランプ・LEDの3種類があります。蛍光ランプやLEDでは、光の色味で種類が分かれ、オレンジっぽい暖かみのある色味から、青白っぽい涼しげな色味までバリエーションがあります。一般的に、光の色味が青白っぽくなるほど、脳の覚醒作用は強くなります。

昼間は、覚醒作用が適度にある方がいい(覚醒作用が強ければよいとは限りません)ので、白っぽい照明のもとで活動して大丈夫です。蛍光ランプやLEDでは、白から涼しげな色味の「昼白色」や「昼光色」の光が昼間の作業に適しています。

一方、夜間は、覚醒作用が比較的弱い、暖かみのある色味の白熱電球や「電球色」の蛍光ランプ・LEDを選び、明るくし過ぎないことが大切です。この時、光の雰囲気に違和感がないことを自分の眼で確認してください。

1日の時間帯に合った光で体内リズムを整える

適切な光環境とともに規則正しい生活を

質の高い睡眠を得るには、就寝前の準備と起床時の環境も大切です。

就寝前は、照明の光量を減らし覚醒作用が目立たない環境にします。例えば、寝室の照明は白熱電球または「電球色」を選びましょう。また、就寝時刻が近づいてきたら、スマホや電子書籍などの発光体を見るのをやめましょう。

朝の目覚めは、自然界の夜明けのように徐々に明るい空間にしていくと楽になります。暗いところからいきなり明るくしたり、真っ暗な中で目覚まし音にたたき起こされたりすると、目覚めの気分が悪いままで、質のよい睡眠の完成には至りません。光環境としては、遮光カーテンを全部は閉めきらず、少し朝日が漏れるくらいの方がいいでしょう。

体内リズムを整えるには、こういった光環境の整備と合わせて、規則正しい食事・適度な運動などの生活習慣を維持することも必要です。これらを意識することで、夜は自然な眠りに近づき、朝はスッキリ目覚め、昼間は活動パフォーマンスが上がる1日を過ごすことができるようになるでしょう。

適切な光環境とともに規則正しい生活を
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