意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

202010月コラム 睡眠不足が顔の印象を悪くする?
「体内リズム」を整えて美肌を目指そう

睡眠不足が続いたとき、「化粧ノリが悪い」「クマが気になる」「しわが増えた」などと感じることはないでしょうか? 今回は、女性が気になる美肌と体内リズムとの関係をご紹介します。

明治薬科大学 リベラルアーツ 准教授
駒田 陽子 先生

規則正しい体内リズムが美肌を作り出す

私たちの体に備わっている体内時計は、一日のリズム(概日リズム)を生み出しています。皮膚もまた、概日リズムに基づいて、一日の中でその機能が変化します。昼間は、紫外線や熱、病原体から生体を防御するような仕組み、つまり、皮脂を分泌したり皮膚バリア機能が働きます。夜間は、成長ホルモンを分泌したり、傷ついた細胞を修復する働きが増します。

皮膚細胞が再生するピークは、午前2~3時頃といわれています。しかし、不規則な生活などで体内時計が乱れていると、体は何を調整すべき時間なのかわからなくなってしまい、皮膚細胞の再生も行われにくくなってしまいます。そして、夜が明けて活動を始めたにも関わらず、皮膚細胞の時計がまだ夜を指している場合には、皮膚バリア機能がうまく働かず、肌を痛めてしまうことになります。つまり、規則正しい生活をして体内時計を整えることが、美しい肌をつくる力につながると言えます。

規則正しい体内リズムが美肌を作り出す

睡眠不足の人は不健康に見える実験結果

スウェーデンのカロリンスカ研究所で行われた、睡眠時間による見た目の印象についての実験をご紹介します。この実験ではまず、18歳から31歳までの男女23人に協力してもらい、8時間の睡眠をとった場合と、31時間眠らずに起きていた場合の2条件で顔写真を撮影しました。そして、写真を見る訓練を受けていない60人に対して、撮影した2枚の写真をランダムな順序で6秒間ずつ呈示し、それぞれの顔が、「どのくらい健康そうに見えるか」「疲れているか」「魅力的か」を評価してもらいました。

同じ人の顔写真なので、パッと見では、ほとんど違いは感じられません。それでも、睡眠不足のときの顔は、きちんと睡眠をとったときの顔に比べて、「疲れているように見える」「魅力的でない」と評価されました。さらに詳しく調べてみると、睡眠不足の人の顔は、「目が腫れぼったい」「目の下のクマが濃い」「まぶたがたれ下がっている」「目が赤い」「肌が薄い」「しわや小じわが多い」「口角が垂れている」と認識されていることがわかりました。

睡眠不足の人は不健康に見える実験結果

睡眠をしっかりとれば魅力的な顔になれる

睡眠が不足すると、神経、内分泌、免疫、細胞機能が低下するなど、生理的変化が生じることが明らかにされています。このような生理的変化が、「顔の変化」や「魅力度」に影響してしまうのです。この研究成果は、「Beauty sleep」というタイトルで、イギリスの医師会雑誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)』に掲載されました。

顔の造作は変えられませんが(残念!)、規則正しく十分な睡眠をとることで、自分の魅力を最大限引き出せるかもしれません。

睡眠をしっかりとれば魅力的な顔になれる
駒田 陽子
駒田 陽子(こまだ・ようこ)
明治薬科大学 リベラルアーツ 准教授

早稲田大学 文学部 心理学専修 卒業。早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士課程修了・人間科学博士。日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所特別研究員、東京医科大学 睡眠学講座 准教授 などを経て、2017年より現職。

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