意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

20209月コラム 不安で眠れない人へ
コロナうつを防ぐための睡眠と心のケア

コロナ禍において、さまざまな不安やストレスから眠りに問題を抱えている人が増えてきているようです。不安を取り除き、体内リズムを整える生活を取り戻すことで、夜の睡眠が安定します。メンタルケアのポイントとあわせてご紹介します。

久留米大学 学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授
内村 直尚 先生

先の見えない不安とストレスで不眠に

新型コロナウイルスの影響で、多くの人の生活パターンが、これまでと一変したのではないでしょうか。そんな中で増えてきているのが、不安やストレスからくる「コロナうつ」。気分が落ち込む、やる気が出ない、心が不安定になるといったメンタル不調で、夜眠れない、夜中に目が覚めてしまう、朝起きるのがつらいといった睡眠の悩みにも直結しています。

コロナウイルスという目に見えない敵と戦わなければいけない不安、それがいつまで続くのかわからないこと、行動が制限され、今まで通りの当たり前の生活ができないストレスが、「コロナうつ」につながっていると考えられます。

こうした積み重なる不安やストレス、人との交流を避けるといった行動制限は、良質な睡眠に欠かせない体内リズムにも大きな影響を及ぼしています。心が落ち着かなくて眠れないという人は、体内リズムに目を向けてみましょう。

先の見えない不安とストレスで不眠に

「コロナうつ」でも夜ぐっすり眠るには?

コロナ禍でも、不安要素を取り除きぐっすり眠るには、体内リズムをコントロールすることがカギになります。人は、不安な感情が高まると、交感神経が優位になり、スムーズに入眠できなくなります。すると入眠時間がずれて、どんどん夜型化してしまいます。

体内リズムを整えるのに最も重要なのが「光」。朝の光は、体内リズムをリセットし、「メラトニン」という睡眠ホルモンを夜に分泌させる働きがあります。朝は外やベランダに出て光を浴びましょう。昼の光も、夜のメラトニン分泌をサポートするので、ソーシャルディスタンスを心がけながらなるべく外出を。一方夜は、スマホやパソコンなどの強い光を浴びるのはNG。交感神経を優位にして、眠りを妨げます。不安で眠れない人は、朝・昼・夜それぞれの光を利用してみてください。

光の浴び方を意識して生活すると、自然と生活にメリハリが出てくるでしょう。昼は活動的になり交感神経優位に、夜はリラックスすることで副交感神経系優位になると、がんばらなくても夜眠くなってくるはずです。

「コロナうつ」でも夜ぐっすり眠るには?

心の安定には愚痴を言える相手を持つこと

体内リズムを整える生活のほかに、不安やストレスを取り除いて質の良い睡眠を取るには、心のセルフコントロールが大切です。睡眠とメンタルには深い関係があります。

以前のように移動したり、人と交流したりすることが難しくなりましたが、「コロナうつ」を防ぐために大事なのは、心の孤立を避けること。不安やストレスを抱えているのは一人ではありません。家族以外に、愚痴をこぼせる相手を持ち、オンラインでもいいので時々連絡を取り、おしゃべりする時間をぜひ持ってください。

また、コロナのニュースは、夜に見てしまうと不安が大きくなり、ますます眠れなくなります。夜はテレビを消してリラックスして過ごすことをおすすめします。体内リズムが整うと心が安定し、心が安定すると睡眠の質が高まり、朝すっきり目覚められます。いい睡眠リズムを作り、心の元気を取り戻しましょう。

心の安定には愚痴を言える相手を持つこと
内村 直尚
プロジェクトリーダー内村 直尚(うちむら・なおひさ)
久留米大学 学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授

久留米大学医学部卒業。久留米大学大学院医学研究科修了(医学博士)後、Oregon Health Science University 留学。久留米大学医学部神経精神医学講座 講師、准教授を経て、2007年4月より久留米大学医学部神経精神医学講座 教授。2011年4月~2013年3月久留米大学病院 副院長。2012年4月より久留米大学高次脳疾患研究所所長兼務、2013年4月より久留米大学医学部長を務め、2016年10月より同大副学長兼務。2020年1月より同大学 学長兼務。

PageTop