意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

20208月コラム 健康な体を保つために
免疫機能を良好に保つための睡眠と体内リズムの整え方

感染症予防のために、マスクで身を守ることはもちろん大切ですが、それに加えて、今こそ見直すべきなのは睡眠。人間に備わった体内リズムに合った睡眠をとることで、自分自身で免疫機能を高めることにつながります。そのための生活のポイントをご紹介します。

国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部・学部長 心理学科長 教授
中田 光紀 先生

免疫バランスは睡眠の影響を受ける

新型コロナウイルスの収束が見えない中、今私たちができるのは、免疫を高めて健康な体を維持することです。そのために何より大切なのが睡眠です。

人には生まれながらに持った「サーカディアンリズム」という体内リズムが備わっており、免疫機能はこの体内リズムと深い関係があります。例えば、がん細胞やウイルス感染細胞を破壊する「ナチュラル・キラー細胞(NK細胞)」は、日中に活動が活発になり、夜中に活動が低下します。これは、日中にウイルスや細菌などと接触する機会が多いからです。

一方、NK細胞に代わって、夜間にがん細胞がんやウイルス感染細胞を破壊する細胞があります。それは「細胞傷害性T細胞」というT細胞の一種です。T細胞は、免疫の応答を促す細胞で、人間が活動しないで休息しているときに働きます。このように、免疫機能は1日の中でもバランスを取りながら働き、人の体を守る仕組みを持っています。

私たちは眠ることにより、日中に受けた体へのダメージを成長ホルモンなどで修復したり、ストレスをリセットしたりしています。夜に十分な睡眠がとれないと、ダメージの回復も遅れ、免疫機能のバランスを乱すことにもつながります。

免疫バランスは睡眠の影響を受ける

夏の強すぎる冷房は免疫機能にダメージ

免疫は、体の中に侵入した細菌やウイルスを排除する働きがあり、免疫機能が低下していると、細菌やウイルスが体内に入り、体調を崩しやすくなります。「風邪をひきやすく、治りにくい」「日中眠くて仕方がない…」といった人は、免疫力が落ちているサインかもしれません。そんな人は、睡眠不足などで今の睡眠状態に問題があったり、体内リズムが乱れたりしている可能性があります。日々、質の高い睡眠を取り、免疫機能が正常に働くようにコントロールすることが大切です。

また、夏の強すぎる冷房は、免疫にとってもあまり良くはありません。夜間、冷房をつけたままで寝ると、朝起きたときにだるさを感じませんか? 寝ている間に免疫機能は修復されますが、冷房にさらされすぎると体温が低下しすぎることで十分に回復できないことが考えられます。日中も、冷房の効きすぎた部屋と、高温の屋外を行き来することで自律神経が疲弊します。涼しい空間で過ごすことは体にとっても楽ですが、冷えすぎないように注意をしましょう。

夏の強すぎる冷房は免疫機能にダメージ

免疫を高めるにはリズムを一定に

免疫機能をしっかり働かせるには、体内リズムを整えて、十分な睡眠を確保することが欠かせません。体内リズムを整えるのに最も重要なのは、生活リズムを一定にすること。起床・睡眠時間はもちろん、食事の時間もなるべく同じ時間を意識するだけで、体内リズムは整っていきます。寝る直前の食事を控える、深酒をしないといったことも、睡眠の質を高めることにつながります。

ある睡眠実験によれば、普段の睡眠時間を1回3時間削っただけで、免疫機能がその後3日間低下していたことが報告されています。免疫機能もちょっとした睡眠不足で疲弊してしまうのです。

寝ている間に免疫機能を高めようと思っても、自分ではどうしようもできません。夜の睡眠のために、起きている時間をどう過ごすかが、体内リズムを整えるカギを握っています。

体内リズムが整うと、夜寝るべき時間に自然と眠くなり、朝はすっきりと目覚めることができます。これからしばらく続くであろう“withコロナ時代”。自分の健康をあらためて見直すだけでなく、今こそ体内リズムを意識した生活を実践するときではないでしょうか。

免疫を高めるにはリズムを一定に
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