意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

20206月コラム 長く働き続けるために
交代勤務でも睡眠の質を下げない方法

様々な業種で交代制勤務が導入されています。交代制勤務で働く人の中には、睡眠で悩みを抱えている人も少なくありません。睡眠の質を高めるために重要なのは、「光」と「食事」にあります。夜勤があってもぐっすり眠るためのヒントをご紹介します。

産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学研究室 教授
森 晃爾 先生

体内リズムに逆らう生活が睡眠に影響

看護師が働く医療現場や工場、24時間営業の店舗などで導入されている交代制勤務。日本では、およそ1200万人が交代制勤務で働いているという報告があります。そんな人たちに多いのが、「なかなか寝つけない」「長い時間眠れない」といった睡眠のお悩みです。

そもそも交代制勤務により睡眠の質が低下する理由は、「サーカディアンリズム(概日リズム)」といわれる、人間が持つ体内リズムに逆らうような生活になってしまうから。人間には本来、朝になったら目覚めて活動的になり、夜には眠くなるというリズムが備わっています。

昼夜逆転になる生活は、体内リズムが乱れやすくなります。すると、交代制勤務に限ったことではありませんが、睡眠の量や質が低下し、だるい、疲れやすい、風邪をひきやすいといった体の症状や、メンタル不調を引き起こします。時には、仕事中の重大なミスにつながることもあり、職種を問わず、十分に気をつけなければなりません。

体内リズムに逆らう生活が睡眠に影響

「光」と「食事」で体内リズムを正常に

交代勤務で働く人にとって大切なことは、睡眠を確保するための工夫です。自分でできることは二つ。それは、「光の浴び方」と「食事」をコントロールすることです。どちらも体内リズムに深く関係しています。

まずは、光の浴び方です。太陽の光を浴びると、目から脳へ刺激が伝わり、体内リズムがリセットされます。同時に脳は「朝だ」と認識して覚醒します。そのため、夜勤明けに帰宅するときは、太陽の光をなるべく浴びないこと。曇りでもサングラスをかけるのがおすすめです。

帰宅後は、体内リズムの影響で、昼に近づくにつれて眠りづらくなるため、消化のいい食事をさっと食べて、早めに布団へ。夜勤前や夜勤中の休憩では、バランスのいい食事をしっかり摂るのがいいでしょう。昼に働いている人の「朝食」と「昼食」に当たると思ってください。

また、眠る空間も重要です。寝室は、遮光カーテンなどを使い、できる限り静かで暗い、夜のような空間を作ると、スムーズに入眠できます。

「光」と「食事」で体内リズムを正常に

体内リズムに合わせた休日の過ごし方

質の高い睡眠を得るためには、休日の過ごし方にもコツがあります。夜勤明けの日は体の休息にあて、その翌日の休みは、朝から起きて太陽の光を浴び、朝ごはんを食べましょう。

「光」と「食事」の両方で乱れた体内時計をリセットさせることで、本来の体の機能を徐々に取り戻します。体内リズムが整えば、その日は夜がきたら自然と眠くなり、深い睡眠をとることができます。翌日は目覚めがすっきりして、仕事のパフォーマンスが上がるはずです。

そして、夜勤中に仮眠をとることも有効です。短い時間しかとれなければ「15~30分」、長くとれるなら「1.5~2時間」を目安に。深夜に仮眠をとっておくと、体内リズムが乱れにくくなるといわれています。

交代勤務の看護師が体内リズムを整えることで、ワークエンゲージメント(仕事に対するメンタル面の充実度)が上がったという報告もあります。体内リズムを整える工夫で、夜勤明けもぐっすり眠り、疲れない体で長く働けるといいですね。

体内リズムに合わせた休日の過ごし方
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