意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

20204月コラム 良い目覚めのために始めよう
睡眠サポートツールの賢い使い方

睡眠に悩みを抱えていても、正しい解決策が分からない、何から改善したらいいか分からない、という声が寄せられます。そんな人の味方になる、睡眠サポートツールが続々登場しています。自分の状態を可視化することが、良い目覚めへの近道になるかもしれません。

東京家政大学 人文学部 心理カウンセリング学科 准教授
岡島 義 先生

サポートツールが睡眠改善のきっかけに

睡眠の悩みで多いのが、寝つきが悪い、夜中に目が覚めてしまう、日中眠くなる、朝すっきり起きられないといったこと。こうした悩みを抱えながらも、生活に気をつけても改善しない、何をしたら良くなるか分からないという人は、睡眠サポートツールを活用してみてはいかがでしょうか。

睡眠への関心度の高まりと共に、様々なサポートツールが登場しています。まず注目したいのは、腕時計のように装着して、睡眠のほか、体の機能を測定できる「ウェアラブル活動量計」や、布団の下に敷いて寝ると睡眠状態が分かる「睡眠計」などのツール。これらは脈拍数や呼吸数、体動(寝がえり)など、いくつかの項目から睡眠状態を検出してくれます。悩みの原因は、体内リズムの乱れにある可能性も。こうしたツールで、まずは自分の状態を可視化することで、睡眠はもちろん日常生活に対しての意識が変わるきっかけになります。

サポートツールが睡眠改善のきっかけに

アプリやサプリメント、照明などを活用

スマホを使う現代人にとって最も身近なツールといえば、アプリです。おすすめなのは、睡眠中に自動で測定してくれるタイプと、自分で記録するタイプの“ダブル使い”です。前者は、気づかない睡眠状態(例えば、無呼吸症候群)の発見に役立ちますが、その結果に日常生活が振り回される危険も。後者は、「眠れないと日常生活に支障が出てしまう」といった思い込みに気づくことに役立ちます。2つを使うことで、睡眠状態を適切に判断し、睡眠に振り回されない人生を送ることができます。

また、睡眠の質を高めたり、リズムを整えたりするサプリメントを使う際は、その効果が検証されているものを選んでください。結果に偏りが出ないように、客観的に評価した試験であることをチェックしましょう。

他にも、人間の体内リズムに合わせて、朝は白い光、夜はオレンジ系の光に切り替えられる照明もあります。また、たくさんの種類がある入浴剤は、自分がリラックスできる香りを選びましょう。

アプリやサプリメント、照明などを活用

ツール活用だけでなく生活習慣も見直しを

こうした便利なツールは、あくまでサポートする役割です。特にアプリや睡眠計は、自分の睡眠状態を把握できるのがメリットですが、使ったからといって、すぐに寝つきが改善する、朝すっきり目覚められるわけではありません。ツールに頼りすぎて、データだけで一日の行動を決めたり、感情を振り回されてしまったりするのも本末転倒です。

体内リズムを整えて、睡眠を良くするためにまず大切なのは、生活習慣の見直し。食事は体内リズムを整えるのに重要で、前の食事から10時間空けてから朝食を摂ることで、内臓に備わった「内臓時計」がリセットされます。日中に運動を取り入れることも有効で、習慣的な運動によって、夜にかけて深部体温が下がり、眠りやすくなります。

このように、良い睡眠は食事や運動などの生活習慣と密接にかかわっています。サポートツールを活用すれば、生活習慣を見直すきっかけにもなり、様々な方向から体内リズムを整え、睡眠の質を高める第一歩になるでしょう。ぜひ、皆さんも科学者となり、取り組んでみたことが睡眠の質の改善、生活の改善につながっているかどうかを検証してみましょう。

ツール活用だけでなく生活習慣も見直しを
岡島 義
岡島 義(おかじま・いさ)
東京家政大学 人文学部 心理カウンセリング学科 准教授

日本大学文理学部心理学科卒業。北海道医療大学大学院心理科学研究科博士課程修了(博士〔臨床心理学〕)。公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター研究員、東京医科大学睡眠学講座兼任助教、医療法人社団絹和会睡眠総合ケアクリニック代々木 主任心理士、早稲田大学人間科学学術院助教などを経て、2018年より現職。

PageTop