意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

20203月コラム ホルモンが影響
女性が快適な睡眠をとるには?

女性は男性よりも、家庭や子育てなどによる負担から、睡眠時間が短くなりがちです。それだけでなく、一生を通して支配される女性ホルモンの影響で、良い睡眠がとれない状況になることも。女性のみなさんが、快適に眠れるための方法をお届けします。

明治薬科大学 リベラルアーツ 准教授
駒田 陽子 先生

ホルモンに影響される女性のライフサイクル

女性の心と体は、一生を通して女性ホルモンの影響を受けます。女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌は、思春期に急激に高まり、20~30歳代でピークを迎えた後、40歳を過ぎた頃から卵巣の退化とともに低下します。子どもから思春期へ、そして成熟期を迎えて妊娠・出産ができる身体となり、やがて更年期、老年期へと変化していきます。

現在、日本人女性の初潮の平均年齢は12.5歳、閉経の平均年齢は50.5歳ですので、その間、妊娠と授乳期間を除く約35年間は毎月、体の中では排卵が起こり、その2週間後に月経(生理)が起こるというサイクルが繰り返されます。前回のコラムでは月経や妊娠と睡眠との関係についてご紹介しました。今回は更年期と睡眠について見てみたいと思います。

ホルモンに影響される女性のライフサイクル

更年期の睡眠愁訴とは?

閉経前後の10年間を更年期とよび、この時期に起こる様々なつらい症状を更年期症状といいます。女性ホルモンの「エストロゲン」が減少することにより、ほてり、のぼせ、発汗、動悸など自律神経系の乱れや、イライラ、憂鬱などの精神症状が生じます。もともと女性は男性に比べて睡眠の悩みを訴えられる方が多いのですが、更年期には、ほてりやのぼせによる中途覚醒が増加し、4割の女性が不眠を訴えられます。

「寝つきが悪い」「夜中、途中で起きてしまう」「目が覚めた後、なかなか眠れない」といった症状によって、「また眠れないのではないか」「不眠のせいで調子が悪い」のように心配が大きくなったり、日中の活動を制限してしまったりすることで、不眠の症状を慢性化・悪化させてしまうことがあります。さらに、女性ホルモンの「プロゲステロン」の低下で睡眠時無呼吸症候群が増加することも知られています。

更年期の睡眠愁訴とは?

不調に悩まされず、自分らしく過ごすために

更年期はある時期のことであって、更年期=更年期障害ではないのですが、「更年期」という言葉が独り歩きしていて、どんなつらい症状が起こるのだろうと構えてしまう女性が少なくないように思います。かかりつけの婦人科をもち、体の変化で心配な点は相談できるようにすること、睡眠中の異常現象(睡眠時無呼吸症候群など)については睡眠専門のクリニックを受診されることをおすすめします。

日常生活でとれる工夫としては、寝る前のカフェイン、アルコールはほてりやのぼせの症状を悪化させますので、控えるようにします。寝室を涼しくし、暑いと感じるときは扇風機で空気の流れをつくると、夜中の発汗を軽減でき快適に眠れる方が多いようです。羽毛布団とタオルケットで寝床内温度を調節できるようにし、寝間着は綿やシルクなど肌触りの良いゆったりとしたものがよいでしょう。

夜よく眠れないと、昼間の活動を控えがちになりますが、体を動かすと心地よい疲労感が得られ、気持ちも前向きになります。ヨガや定期的な運動は、更年期症状の緩和と快眠にも効果的です。昼間は明るい場所で体を動かし、夜は暗いところでゆったり過ごす、メリハリを意識した毎日を積み重ねることで、体内リズムが整ってきます。体内リズムが整うと、夜の眠りが良くなってくるでしょう。

不調に悩まされず、自分らしく過ごすために
駒田 陽子
駒田 陽子(こまだ・ようこ)
明治薬科大学 リベラルアーツ 准教授

早稲田大学 文学部 心理学専修 卒業。早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士課程修了・人間科学博士。日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所特別研究員、東京医科大学 睡眠学講座 准教授 などを経て、2017年より現職。

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