2020年2月コラム
あなたは朝型?夜型?
早起きがつらいのは意志が弱いからではない
みなさんは、朝に強いタイプか、夜に強いタイプか、どちらですか? 自分が「朝型」か「夜型」かは、約半分が遺伝子により生まれつき決められているといわれます。タイプを知るだけで、自分に合う睡眠が分かり、体に無理のない生活を送ることができます。
タイプに合わない生活は体の負担に
早起きが得意で朝は活動的なのに、夜は眠くて起きていられない人、早起きが苦手で夜になると元気になり眠気に強い人。周りを見渡すと、「朝型タイプ」と「夜型タイプ」の人がいると思います。
私たち人間には、朝になったら起きて夜になったら眠くなるという「体内リズム」が備わっています。この体内リズムには、朝型か夜型かを表す「クロノタイプ」という個人の傾向があります。
社会生活では、朝決まった時間に起きて職場や学校に行かないといけませんが、体内リズムと睡眠は密接に結びついているため、例えばクロノタイプが夜型の人にとっては、体に合わない早起きが難しいことも。朝は、目覚める準備ができていない体で無理やり起き、夜は眠くなるのが遅く、睡眠時間が短くなるといった悪循環になる可能性があるのです。反対にいえば、朝型の人が遅くまで残業して働くのも同じこと。
体内リズムにはこうした個人差があり、朝型の人は朝早いスケジュールで、夜型の人は朝型より遅いスケジュールで過ごしたほうが、体にとって負担のない生活を送れるといえます。

「クロノタイプ」をセルフチェック!
クロノタイプを知っておくことは、「体に負担が少ない生活を送れる」「無理なくがんばりすぎない自分でいられる」「パフォーマンスが上がる時間帯でしっかり力を発揮できる」などといったメリットがあります。
クロノタイプは、朝型と夜型、2つの間の「中間型」という区分があり、それに加え一人一人少しずつ異なった特徴を持っています。自分のタイプは、実際の平日と休日の睡眠パターンでクロノタイプを決める「MCTQ(ミュンヘンクロノタイプ質問紙)」で確認できますので、ぜひチェックしてみてください。
■MCTQ(ミュンヘンクロノタイプ質問紙)https://mctq.jp/
自分が朝型か夜型かは、40~50%程度が遺伝的に生まれつきで決まり、残りが生活習慣や年齢などで決まります。だから夜型の人が早起きが苦手なのは当然で、努力が足りないからとか、自分の意志が弱いからではありません。自分のクロノタイプを知るだけでも、気持が楽になったり、生活習慣を見直したりするきっかけになるでしょう。

タイプに合う生活が、良い目覚めに
体内リズムの差は、朝型・夜型といっても、その差は2時間程度といわれています。朝型の人が23時に眠くなるとすれば、夜型の人は1時に眠くなるようなイメージです。
そもそも人間の体内リズムは、夜型にずれやすいという特性があります。「夜型だから夜更かし、朝寝坊でいいや」という生活をしていると、2時間の差がどんどん開き、夜型化が進んでしまいます。
極端な夜型化は仕事に影響を及ぼしたり、病気に発展したりする場合も。夜型でも午前中に朝の光を浴び夜の光を避けることで体内リズムがリセットされ、適切な時間帯で眠りが訪れます。朝型の人は無理に夜更かしせずに早く眠ることを心がけましょう。朝型も夜型も、体内リズムに合った生活を送ることで、質の良い十分な睡眠を確保でき、朝すっきり目覚め、昼は元気に働くことができます。
