意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

201911月コラム 受験に勝つ最大のポイントは、「体内リズム」にある

12月に入り、受験生にとってはいよいよ大切な時期がやってきました。本番で力を出し切るためにも、良質な睡眠習慣を保つことが欠かせません。今回は、受験に勝つための「体内リズム」マネジメント術をご紹介します。

久留米大学 学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授
内村 直尚 先生

実力を100%発揮するには
「体内リズム」を朝型に

受験に合格するために必要なのは、猛勉強をするだけではありません。体に備わった「体内リズム」をコントロールして、本番までに睡眠を整えておくことが大切です。受験生はつい深夜まで勉強しがちで、朝起きるのがつらくなりますよね。

人間には、朝は活動的になり夜は眠くなるという体内リズムが備わっています。その働きに合わせて、体内リズムを朝型に切り替えておくことで、試験当日に100%の実力を発揮することができるのです。

体内リズムを変えるには、最低4週間はかかります。試験の1カ月以上前から、24時頃には寝て6~7時には起きる、朝型生活を意識しましょう。脳が完全に働くまでは3時間必要ですので、試験開始時刻から逆算して3時間前に起きる習慣をつけてください。

また、夜の蛍光灯やスマートフォンなどの強すぎる光は脳を覚醒させ、入眠の妨げになります。こうした光を避け、23時には勉強を終え、入浴してリラックスしてから眠ることをおすすめします。

実力を100%発揮するには「体内リズム」を朝型に

睡眠は記憶力を上げ、
成績アップに

睡眠は、覚えたことを脳に固定させ、記憶力を上げることが分かっています。就寝前にあることを学んでからすぐ寝たグループと、そのまま徹夜したグループを比較したところ、睡眠をとったグループのほうが、平均記憶量がはるかに高かったという研究があります。ほかにも、早く寝て睡眠時間が長い人のほうが、遅く寝て睡眠時間が短い人よりも成績が良かったといった報告もあります。

このように、睡眠時間と成績には相関関係があることが明らかになっています。その理由は、脳の前側にある「前頭前野(ぜんとうぜんや)」が関わっています。前頭前野は記憶や認知力、やる気、集中力、感情などをコントロールし、睡眠が不足することで機能が低下することが考えられます。

睡眠不足が積み重なると、学習や成績に悪影響を及ぼすことはもちろん、免疫力も低下して体調を崩しやすくなります。だからこそ、体内リズムを意識した良い睡眠が必須なのです。

睡眠は記憶力を上げ、成績アップに

家族みんなで、
「朝型生活」でサポートを

受験生のご家族は、こうした体内リズムに目を向けてサポートしてあげてください。例えば、同じように体内リズムを朝型にして早起きしたり、夜は寝る1時間ほど前から部屋の照明を暗くしたりすることで、ぐっすり眠れ、翌朝すっきり目覚めることができます。夕食は、家族がそろうのを待つと遅くなりがちですが、あまり遅い時間にならないように調整して、朝食はしっかり食べましょう。

中には、試験が近くなると緊張して眠れないという受験生もいます。そういう受験生ほど、1カ月以上前から体内リズムを整えておくと安心して眠ることができ、本番直前の不安を取り除いてくれます。

体内リズムが大切なのは、ビジネスマンも同じです。重要な仕事の前日に徹夜してがんばるより、睡眠を確保したほうが、パフォーマンスが確実に上がります。仕事も受験も、すべては睡眠が制すといえるでしょう。

家族みんなで、「朝型生活」でサポートを
内村 直尚
プロジェクトリーダー内村 直尚(うちむら・なおひさ)
久留米大学 学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授

久留米大学医学部卒業。久留米大学大学院医学研究科修了(医学博士)後、Oregon Health Science University 留学。久留米大学医学部神経精神医学講座 講師、准教授を経て、2007年4月より久留米大学医学部神経精神医学講座 教授。2011年4月~2013年3月久留米大学病院 副院長。2012年4月より久留米大学高次脳疾患研究所所長兼務、2013年4月より久留米大学医学部長を務め、2016年10月より同大副学長兼務。2020年1月より同大学 学長兼務。

PageTop