意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

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20195月コラム 「ソーシャル・ジェットラグ」が疲れやすさに影響している

平日と休日の就寝・起床リズムのずれをいう「ソーシャル・ジェットラグ」が、疲れやすさに関係していることが明らかになりつつあります。今回は、疲労と「体内リズム」についてご紹介します。

国際医療福祉大学 東京赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 心理学科長 教授
中田 光紀 先生

疲れやすさは、平日と休日の
睡眠時間帯のずれが関係

働く現代人の多くが、長時間労働や過重労働によって日々疲労を感じているといわれます。みなさんも、「目覚めがスッキリしない」「体がだるい・重い」といった疲労感はありませんか?

全国の労働者を対象にした研究で、平日と休日の睡眠時間帯のずれが大きい人ほど、疲れやすさの頻度が増えることや、朝に疲れて起きやすいことが分かりました。

平日と休日の就寝・起床時間がずれることにより、体内リズムが乱れた状態を「ソーシャル・ジェットラグ」といいます。“社会的時差ボケ”とも呼ばれ、様々な不調を引き起こす原因といわれています。

海外への移動で起こる時差ボケは、体への影響が短期的で、体内リズムが整えば1週間程度で順応できます。しかし、休日が来るたびに繰り返す「ソーシャル・ジェットラグ」(社会的時差ボケ)は、影響が長期的で健康リスクも高まることが分かっています。なかなか抜けない疲労感は、「ソーシャル・ジェットラグ」の影響を受けて高まっている可能性があります。具体的には、「ソーシャル・ジェットラグ」が2時間以上になると、疲れやすくなったり、朝に疲れて起きやすくなったりします。

疲れやすさは、平日と休日の睡眠時間帯のずれが関係

疲労は免疫機能の低下や
「慢性炎症」のもとに

平日と休日の睡眠時間帯のずれが大きく、なおかつ疲労を感じている人はとても多いと思います。慢性的な疲労は、その先に様々な影響が潜んでいます。

例えば、私たちの体には、がん細胞やウイルス感染細胞と戦う自然免疫の「NK(ナチュラルキラー)細胞」が存在します。疲労度が高い人ほど、「NK細胞」の活性度や数が減ることが明らかになっています。

また、今注目されている「慢性炎症」にも関係しています。長引くストレスや体質に合わない食生活、受動喫煙を含むたばこ煙への曝露、睡眠不足などで、体の各所で軽微な“炎症”が起こり、それが様々な病気の発症につながることも。実は疲労も「慢性炎症」のもとになり、「ソーシャル・ジェットラグ」は疲労に強い影響を及ぼしています。

さらに「ソーシャル・ジェットラグ」は、うつなどのメンタルヘルス不調にもかかわります。

疲労が蓄積してくると、本来気づくはずの“疲労センサー”が鈍くなり、疲れていないと思い込んだり、疲れを心と体がキャッチできなくなったりすることも。「ソーシャル・ジェットラグ」や「睡眠負債」を防ぐことはもちろん、“疲労負債”を貯めないようにすることも大切です。

疲労は免疫機能の低下や「慢性炎症」のもとに

体内リズムを乱さない睡眠で
「ソーシャル・ジェットラグ」解消へ

疲労回復のためにも、休日は少しでも長く寝たいもの。「ソーシャル・ジェットラグ」を防ぎながら睡眠を確保するには、就寝・起床時間の前後を延ばすことで、疲労を蓄積しないで済むかもしれません。

例えば、平日の睡眠時間が「0時~6時」の場合、中央の時間は「3時」。休日は、就寝・起床時間の前後を延長し、11時に就寝→7時に起床すれば2時間プラスできます。このように、中央の時間をずらさずに睡眠をとりましょう。もちろん、休前日に早めに寝ることも大切です。

また、“疲労=悪いもの”と思いがちですが、疲れは「休みなさいよ」という体からの初期サイン。これを無視しないで、早めに休息することが重要です。

「ソーシャル・ジェットラグ」が解消されると、疲労感の減少も期待できます。今日から体内リズムを整えて、疲れない元気な体を目指しましょう。

体内リズムを乱さない睡眠で「ソーシャル・ジェットラグ」解消へ
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