意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

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20192月コラム 「朝食」をしっかり食べて内臓から体内リズムを整えよう

1日を健やかに過ごすために、朝食は欠かせない習慣です。しかし、時間がないといった理由で朝食を抜く人がたくさんいます。今回は、そんな「朝食欠食」と体内リズムの乱れについてご紹介します。

早稲田大学 先進理工学部 電気・情報生命工学科 生理・薬理学研究室
柴田 重信 先生

午前中のだるさは、
朝食抜きが関係

みなさんは今日、朝食を食べましたか? 出勤はするものの、頭が働かない、眠くてつらい。そんな午前中のだるさは、朝食を抜いたことによる、体内リズムの乱れが関係していると考えられます。この状態を「朝食時差ボケ」と言い、朝食欠食が習慣になっている多くの現代人が当てはまります。

「時差ボケ」というと、海外旅行などで外界の時計と、人間の体内時計がずれることをいいますが、「朝食時差ボケ」は、自分の体内で起こる時差ボケのことです。

体内リズムをコントロールしているのは、脳の「主時計」と、内臓や筋肉、皮膚などにある「末梢時計」。人間の体内リズムは24時間より少し長いため、これらの体内時計を毎日リセットすることが大切です。

主時計は朝の光を浴びることで元に戻りますが、末梢時計のリセットは食事がカギを握ります。そのため朝食を抜くと、次の食事まで内臓はずっと眠った状態に。朝食欠食による脳と内臓の間で起こる体内リズムの乱れが、午前中のパフォーマンスを低下させているのです。

午前中のだるさは、朝食抜きが関係

朝食欠食で、
午前中の内臓は眠ったままに

末梢時計は、胃や腸、肝臓、腎臓、心臓など、様々な内臓に存在します。中でも食事で影響を受けやすいのが、胃腸や肝臓などの消化器系の末梢時計。朝食を食べると、時計がリセットされて「朝だ!」と動き出し、消化や吸収、代謝などの機能が働きます。

研究では、光の浴び方は変えず、「7時・12時・17時」に食事を摂った人と、朝食を抜いて「12時・17時・22時」に摂った人を比べたところ、朝食欠食のほうが主時計と末梢時計に2.5時間のずれがあることが分かりました。つまり、内臓は2.5時間遅れで朝が始まるということ。これが午前中のだるさにつながります。

このように、朝食を抜くと活動スイッチを入れる交感神経が働かず、体温や血圧が上がらないといったことが起こります。体内リズムを整えて、朝からはつらつと過ごすためにも朝食は欠かせないものなのです。

朝食欠食で、午前中の内臓は眠ったままに

炭水化物+たんぱく質で
時計をリセット

末梢時計を動かして体内リズムを整えるには、夕飯から十分な絶食時間をあけて、朝食を摂ることが大切です。食事の内容は、ごはんやパンなどの「炭水化物」と、肉・魚・納豆・卵・牛乳などの「たんぱく質」をセットで摂るのが効果的です。

炭水化物(糖質)を摂ると、血糖値を下げるホルモンの「インスリン」が分泌し、インスリンの信号が体内時計に働くことが分かっています。たんぱく質も同じように、インスリンに似た「IGF-1」という成長因子が時計のリセットに関わります。

「朝は食べる気がしない」という人は、夜遅くに食べていませんか? 夜は血糖値が上がりやすく、遅い時間の食事は中途覚醒や不眠につながります。朝食のためにも、理想的なのは21時までに夕飯を済ませ、「朝3:昼3:夜4」のボリュームで食事を摂ること。時間がない人は、起きて約2時間以内なら、出社してから食べてもOKです。

また、夜遅くなりがちな人は、夕方におにぎりなどの主食を食べ、帰宅後に副菜を食べる「分食」もおすすめです。朝食をしっかり食べて体内リズムを整えれば、毎日朝から元気に過ごせるでしょう。

炭水化物+たんぱく質で時計をリセット
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