意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

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20191月コラム お正月など長期休暇の「寝だめ」が実は体内リズムを乱す原因に

新しい一年が始まりました。年末年始の休み中は、日頃の睡眠不足を補おうと、つい“遅起き”してしまった人も多いのではないでしょうか。今回は、そうした休日の「寝だめ」と体内リズムの乱れについて解説します。

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部 臨床病態生理研究室 室長
北村 真吾 先生

「寝だめ」により
体内リズムが後ろ倒しに

お正月休みは、十分「寝だめ」できたはずなのに、なぜか1月前半は体がだるくて重い……。シャキッとしないその理由は、休み中の「寝だめ」により、体内リズムが乱れてしまったからです。

そもそも人間に備わった体内リズムは、24時間より少し長く、そのままでは後ろにずれてしまうため、毎日リセットする必要があります。リセットすることを「同調」と言い、同調に最も効果的なのが、外に出て朝の光を浴び、目から脳へ光の信号を届けることです。

しかし休み中に昼近くまで「寝だめ」をすると、室内でカーテンを閉め、目を閉じているため、適切なタイミングの光で「同調」が行われません。目から入る光の影響は、朝であるほど「同調」の効果は強く、乱れた体内リズムが前倒しされ、昼以降の光では朝より効果が弱くなることが分かっています。

そのため、長期休暇や週末の休日に「寝だめ」をすると、体内リズムのリセットがうまく行われず後ろにずれてしまいます。すると朝起きるべき時間に目覚めづらい、昼は体がだるいといった状態につながります。

「寝だめ」により体内リズムが後ろ倒しに

体内リズムは、
後ろにずれやすく戻りづらい

私たちの体内リズムは、24時間より少し長いことも影響して、もともと後ろにはずらしやすいのですが、前倒しはしづらいという特性を持っています。つまり、休みだからといって夜更かしをするのは簡単なのに、休み明けにずれた体内リズムを朝型に戻すのは大変なのです。

しかも、お正月休みなどの長期休暇では、そのずれがますます拡大。週末2日間の休みだけでも体内リズムが30~45分ほど後ろにずれると言われますが、1週間以上の長期休暇になると2~3時間は簡単にずれてしまいます。

“遅寝・遅起き”がダラダラと何日も続いたお正月休み明けは、まさに体内リズムが大幅に乱れているということ。なるべく早く、乱れた体内リズムを元に戻すことが重要です。

体内リズムは、後ろにずれやすく戻りづらい

朝と夜の光で、
体内リズムを整える

乱れた体内リズムを整えるには、朝と夜の光を、どう浴びるかがポイントになります。

朝は、できるだけ早い時間に外に出て太陽の光を浴びましょう。太陽の強い光が目から脳に伝わることで体内リズムがリセットされ、夜になったら眠くなり、朝はスッキリ目覚められるようになります。

反対に夜の光は体内リズムを夜型化してしまうので、蛍光灯などの白い光をなるべく浴びないようにすることが大切です。白い光は、体内リズムに影響の強いブルーライトを含み、脳を覚醒させリズムを乱す原因になります。夜の室内では、白い光をやめて暖色系の照明に切り替えたり、帰宅時にはブルーライトカットの眼鏡をかけたりして対策を。

また、どうしても日中眠くなる場合は、午後早い時間帯の「昼寝」もおすすめです。深い睡眠に入る一歩手前の15~20分程度(長くても30分まで)を目安に仮眠を取ると、脳がスッキリします。

このように、休日の「寝だめ」で乱れた体内リズムは、光の浴び方でできるだけ早くリセットしましょう。日頃から、「寝だめ」をしなくてもいいように、十分な睡眠を確保することも大切です。

朝と夜の光で、体内リズムを整える
北村 真吾
北村 真吾(きたむら・しんご)
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部 臨床病態生理研究室 室長

九州大学大学院芸術工学研究科修了。博士(芸術工学)。九州大学ユーザーサイエンス機構テクニカルスタッフ、国立精神・神経医療研究センター研究員を経て、2014年英国サリー大学睡眠研究センター客員研究員。2014年5月より現職。専門は睡眠科学、時間生物学、生理人類学。

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