意外と知らない体内リズムのこと 目覚めスッキリコラム

目覚め方改革プロジェクトのメンバーや専門家が良い目覚めをサポートする情報をお伝えします。体内リズムや目覚めについての情報なども随時更新していきます。コラムを読むことから「目覚め方改革」を始めていきましょう。

201812月コラム お酒の飲みすぎは体内リズムを乱す原因に

イベントや忘年会などで、お酒を飲む機会が増える年末。仲間と楽しく過ごせる貴重な時間ですが、スッキリ目覚めるためには、飲みすぎには気をつけたいもの。今回は、アルコールと体内リズムの関係についてご紹介します。

久留米大学 学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授
内村 直尚 先生

アルコールは
1日の体内リズムを早める

お酒の場は、気分のリフレッシュやリラックス、日頃のストレス解消など、心の疲れを取るためには最高です。しかし飲みすぎると、寝つきはいいのに、なぜか朝方に目が覚めてしまう。そんな経験はありませんか?これは、アルコールが体内リズムに影響を与えているからです。

アルコールの摂取は、入眠を促す一方で、早朝覚醒や中途覚醒につながることが分かっています。アルコールにより、睡眠前半の「レム睡眠(浅い眠り)」は減少して眠りが深くなりますが、肝臓で分解され血中濃度が低下してくる後半は、逆に「レム睡眠(浅い眠り)」が増加します。

つまり、実はぐっすり熟睡できているのは前半がメイン。飲みすぎると、朝方の眠りは徐々に浅くなるのです。こうして朝方に目が覚めてしまうことで、全体の睡眠時間が減るだけでなく、1日の体内リズムが通常よりも早まり、前進するという報告があります。

アルコールは1日の体内リズムを早める

体内リズムの乱れが
日中のだるさに

アルコールによる体内リズムの乱れは、翌朝の目覚めを悪くして、日中のパフォーマンスを低下させることにつながります。日中、ずっと眠くて仕事や家事がはかどらない、体がだるくて動く気がしないといったことも、体内リズムの乱れによる影響です。

ここで、眠いからといって長時間昼寝をすると、ますます体内リズムが正常に戻りにくくなり、眠くなるはずの時間に眠くならず、夜の就寝時間が遅くなるという悪循環に。

また、不眠気味で「眠れないからお酒を飲む」といった“寝酒”が習慣の人がいますが、あまりおすすめはできません。アルコールは短期間で耐性ができやすく、初めは入眠を促しますが、徐々に効果が弱くなります。寝酒よりも朝や昼の過ごし方で体内リズムを整え、ぐっすり眠れる体を作りましょう。

体内リズムの乱れが日中のだるさに

体内リズムのリセットには
翌朝がカギ

乱れた体内リズムをすばやく元通りにするには、朝の過ごし方が大切です。目覚めたら、少量でもいいので朝食を摂り、太陽の光を浴びましょう。この2つの朝習慣で、脳や内臓にある時計が「朝だ!」と認識して、体内リズムが整いはじめます。

また昼は、だるいからといって動かずにいるより、エスカレーターではなく階段を使うなどして、少しでも動いて体温を上げたほうが効果的です。

忘年会やイベントシーズンで、どうしても飲みの席が増えますが、できれば週2日以上の“休肝日”を作るのが理想。体内リズムを乱さず、質の高い睡眠をとるための一般的な適量は、アルコール量20g程度の2ドリンクです。これは、ビールなら500ml 2杯、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯、グラスワイン2杯、焼酎(6:4)1合までです。

また、アルコールの分解には、通常2ドリンクで4時間以上かかります。6ドリンクでは12時間以上かかり、夜10時に飲み終わっても翌朝10時まではアルコールが消失しません。

お酒と上手に付き合い、忙しい年末もスッキリ目覚められる朝を迎えましょう。

体内リズムのリセットには翌朝がカギ
内村 直尚
プロジェクトリーダー内村 直尚(うちむら・なおひさ)
久留米大学 学長/久留米大学医学部神経精神医学講座 教授

久留米大学医学部卒業。久留米大学大学院医学研究科修了(医学博士)後、Oregon Health Science University 留学。久留米大学医学部神経精神医学講座 講師、准教授を経て、2007年4月より久留米大学医学部神経精神医学講座 教授。2011年4月~2013年3月久留米大学病院 副院長。2012年4月より久留米大学高次脳疾患研究所所長兼務、2013年4月より久留米大学医学部長を務め、2016年10月より同大副学長兼務。2020年1月より同大学 学長兼務。

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